「自作オンラインストレージ」の解説です。無料のオンラインストレージは、やはりデータ漏洩などが心配です。そこで自作しました。ノートパソコンにUbuntuをインストールして「ownCloud」で実現しました。しかし、やむを得ず断念しました。
パソコンが真っ黒になりデータが失われる
2014年1月、職場のパソコンが、突然反応しなくなりました。いつものようにキーボードを軽やかに叩いていたところ、突然画面が真っ黒になり、パソコンと一緒に私も固まりました。
すぐに専門会社へ修理を依頼したところ、ハードディスクが物理的に壊れているので、データ修復は不可能と言われてしまいました。
仕事の重要なデータが、3年分突然消失しました。しかもバックアップをとってませんでした。かなりの精神的ショックで、その後、しばらく立ち直れませんでした。
そんな苦い経験から、オンラインストレージとして「Googleドライブ」と「Yahooボックス」の2つを使うようになりました。しかし無料版は容量が少なく、そろそろ満杯になってきました。
有料版へ切り替えようか迷っていたところ、再び不幸な出来事が発生しました。職場の人が、外出先の居酒屋で、会社のノートパソコンを盗まれてしまいました。重要データが紛失し、会社から「厳重注意」の処分を受け、かなりヘコんでしまいました。
オンラインストレージも、セキュリティは万能ではありません。特に「情報漏えい」を考えると、他人へ任せるのは危険です。「もしかしたら、運営会社側の社員に全部見られているかもしれない」などと、いらぬ心配をしてしまいます。
そうなると、自分で「オンラインストレージ」あるいは「ファイルサーバー」を構築して、こまめにセキュリティをチェックする方が安全です。また自作なら、オンラインストレージの容量アップのために、費用をかけることもなく節約になります。
オンラインストレージの比較
2014年2月現在のオンラインストレージの比較です。
Googleドライブ
15GBまで無料
100GB 月5ドル、年額60ドル(約7,000円)
Yahooボックス
5GBまで無料
105GB 月700円、年額8,400円
Dropbox
2GBまで無料
100GB 月9.9ドル、年額13,000円
比較すると、それほど大きな差はありません。Googleドライブが少し安いです。
「自作」オンラインストレージに挑戦する理由
自作オンラインストレージに使用するパソコンは、古いノートパソコンでも、ハードディスク容量が80GBあるので十分です。
また、定年後の再就職を考えたとき、日本の将来は、さらにネットワーク社会になっていることは間違いありません。そのためにも、「Linuxによるネットワーク技術」を習得したいと思いました。自作のオンラインストレージに挑戦し、Linuxを勉強しようというわけです。
そして以前、Windows7とWindows8のデュアルブート環境構築の記事を書きましたが、どうせなら、Linuxの上にWindows7とWindows8、さらにはWindows XP も載せたいとも思います。デュアルブートではなく、仮想PCとして構築するわけです。
Windows7とWindows8のデュアルブート環境は、起動時にOSを選択できるので便利です。しかし、二つのOSを同時に使えないことや、Cドライブの中身が覚えづらいデメリットがあります。ファイルの位置が、それぞれのOSで異るため、ファイルを探すのに迷ってしまいます。結果として、Windows7しか使わなくなりました。とても残念な使用方法でした。
デュアルブートより「仮想PC」が便利
インストールの目標は次のとおりです。
OSは、「Linux」の「Ubuntu」
その上にWindows7とWindows8を仮想PC(VirtualBox)上で動かす。
VirtualBoxが使えるUbuntuは、次のとおりです。
Ubuntu 13.04
Ubuntu 12.10
Ubuntu 12.04 LTS
古いノートパソコンなどは、Ubuntuよりも軽量版のLinuxが良いです。軽量版Linuxの「Lubuntu」は、PAE に対応していない CPU では 12.04 までが動作可能とのことです。
また参考情報ですが、Ubuntuのバージョンで、LTSとあるのは「サポート期間が長い」という意味です。
インストール作業
Ubuntuは、インターネット上から無料でダウンロードできます。800MBほどあるので、DVDに焼いておくと便利です。
インストールは簡単です。ネットワークへ接続した状態でインストールすれぱ、ネットワーク設定も自動的に行われます。
無料で利用できるオンラインストレージサーバーは、「ownCloud」です。Apache2と、MySQLを使います。
仮想PCは、「VirtualBox」です。
いずれも無料で利用できます。Ubuntuは原則無料です。
インストールを完了して、実際に稼働させて「テスト」しているときに、テレビでニュースが流れました。
「ノートパソコンから出火」
どうやら、24時間稼働のノートパソコンが原因です。ACアダプターから出火したらしいです。
24時間稼働を「断念」
パソコンが原因で家事になるニュースは、とても珍しいです。スマホのバッテリーや、乾電池から出火するニュースは時々見かけます。
私は心配性なこともあり、すぐに自宅でテスト稼働しているノートパソコンとACアダプターを手で触りました。するとACアダプターの方は、やけどするくらい熱いのです。手で触っていられないほどです。
(これは、まずい! 燃えるかも?)
ノートパソコン本体は、少し暖かい程度なので問題ありません。しかしACアダプターは、やけどするほど熱いのです。ノートパソコンは、ほぼ1週間24時間稼働させました。普通のノートパソコンを24時間稼働させるのは「危険」と判断し、仕方なく「シャットダウン」しました。24時間稼働させるには、サーバー専用マシンが必要だとわかりました。
それからも、インターネットで24時間稼働について調べると、「電気代も高くなる」という情報がありました。ちょうど以前に購入した電力計「ワットモニター」があるので、コンセントに差して計測しました。するとノートパソコンは、1日の電気代が16円ほどです。1ヶ月で、およそ500円でした。
自宅でノートパソコンを常時稼働させると、電気代が月額500円、さらに火事の心配もしなければならない。
これは、イヤです。イヤ過ぎます。
私は、自宅でパソコンを24時間稼働させることを断念しました。