第二の人生として「農業」を選択するメリットの解説です。50代前半までは、農業よりも会社勤めの方が段前有利です。しかし定年退職後や再雇用が終わった後であれば、「農業」が有利になります。早いうちに「農業」を勉強した方が可能性が広がります。
「人生100年時代」は、「農業」が有利
日本の農業は、1960年から1975年にかけて、大きく農家の収入が増えました。その後、農産物の輸入金額が増え続けると、反比例するように農家の収入が減少することになりました。農産物の輸入によって、農家の収入が減ったのです。
ほとんどの農家は、会社員に比較して、収入が低くなりました。農家を継がない人が増えてきました。私も、農家の長男ですが、東京に出て会社員になりました。高校を卒業する1978年のときには、すでに「将来、農家では食べていけない、収入が低くて無理」と思っていました。
実際に、現在(2019年10月)でも、会社員以上の年収を稼ぐ農家は、かなり少ないでしょう。跡継ぎがなく、農家を離れる人が増えています。使われない休耕地が増えてます。
20歳から50歳までは、家庭を持ったり、エネルギッシュに仕事に打ち込んで、バリバリと稼げる年代です。農業よりも、年収の多い会社員を選択する人の方が多いはずです。しかし会社員は、65歳までしか働けません。その後は無職になります。人生100年時代を考えれば、高齢者にとって、定年のない「農業」の方が良いはずです。自然を相手に、自由に農業する方が、健康にも良いのです。
「農業」に必要なもの
実家が農家の人以外は、田畑を準備する必要があります。また、作物を販売するなら、その方法を学ばなくてはなりません。ただ65歳以上なら、自分の家で食べる野菜などで良いと思います。
田畑は、現在(2019年10月)は休耕地が多いです。市役所などで簡単に探せると思います。借りる場合の賃料は、かなり安いはずです。休耕地を持っている農家は、管理に困っています。固定資産税を賄えれば十分です。固定資産税は、場所にもよりますが、畑なら1,000㎡で、年間1.000円程度です。賃料も年間1万円以下の畑が多いです。それほど賃料は気にしなくて大丈夫です。
年金以外の収入を稼ぐなら、作物を売ることになります。農協や道の駅などに置いてもらうことになります。
農業を始めるのに不安なこと
定年退職後、あるいは再雇用が終わる65歳過ぎなら、年金を生活費に充てられます。それほど農業で稼がなくとも困らないはずです。
むしろ、休耕地を借りて農作物を作れるなら、自給自足の生活が可能になります。満額の年金が貰えなくても、生活に困らないでしょう。
しかし、都会で暮らす会社員が、農業を選択するには、大きな不安・壁があります。農業の体験がないので、踏み込めないのです。
主な不安は、次の点です。
○近隣農家と上手に「付き合えるか」、友人ができるか
○体力が持つか
これらは、実際に体験しないとわかりません。
定年後に農業が一般化するメリット
65歳で再雇用を終えた会社員が、第二の人生として「農業」を行うことが一般化すれば、次のメリットがあります。
休耕地を減少できる。農作物を増やせる。
自給自足で、年金を補填できる。
自然の中で身体を動かすので、健康になり、病気を防げる。
会社勤めが困難な人たちの受け入れ先になることも可能。
人生を長く楽しめる。
これらを考えると、農業のポテンシャルは大きいと思います。