SMAPの解散は、メンバー間の葛藤やジャニーズ事務所内の派閥問題に加え、それぞれが誰かを守ろうとした結果によるものです。
特に木村拓哉さんと香取慎吾さんの間で考え方の違いがあり、最終的に解散を決断しました。
マネージャーや仲間、ファンへの思いが交錯し、誰かの裏切りではなく「誰かを守るため」の選択だったのです。ファンは静かに見守りつつも、メンバーへの感謝と再結成への期待を抱き続けています。
SMAP解散に見る日本社会の組織問題と人間関係の縮図
ほんとに残念な結果になったSMAPの解散です。なぜ、メンバー同士の気持ちが、これほど離れてしまったのでしょうか。いろいろな憶測や情報があります。本当の真実は、もちろんSMAPメンバー本人たちにしかわかりません。それでも解散という結末は残念でなりません。「もう、これ以上、無理させて苦しめたくない」という気持ちと、「もう一度、SMAPに戻ってもらいたい」という思いが複雑に混じりあっています。
2016年8月のSMAP解散発表は、組織で働く人間関係の難しさなど、日本社会の縮図のように感じました。組織と仲間への思いが、少しづつ微妙にズレ、結果として解散という結末になってしまいました。
SMAP解散を引き起こした週刊誌報道の裏側とその影響
SMAP解散への始まりは、2015年1月の週刊誌インタビュー記事でした。週刊誌の記者がジャニーズ事務所を訪れ、副社長へインタビューしたのです。
記者は、ジャニーズ事務所内で派閥争いが起きているという噂を副社長へ確認しました。「SMAPのマネージャーと、副社長の娘が対立しているのではないか?」と煽ったのです。副社長は、組織を守るために、事務所内の派閥争いは許さないことを明言しました。「もしマネージャーが派閥争いするなら、SMAPを連れて出て行きなさい」と目の前で言わざるを得ませんでした。
そもそもSMAPのマネージャーは、事務所内で派閥争いする気はなく、そんなことを考えていると思われたこと自体が心外でした。しかし副社長にも、会社を守る姿勢と規律を見せつける必要がありました。週刊誌の記者に対して、毅然とした態度を見せるパフォーマンスが副社長には必要だったのです。
マネージャーは、SMAPを国民的アイドルに育て上げた人です。ジャニーズ事務所のために、人生をかけて働いてきたのです。今までの莫大な貢献を無視するような副社長の言動は、許せなかったでしょう。たとえ本心ではないとしても、言葉で、目の前で、自分を完全に否定されたのです。悔しくて涙が出るでしょう。この状況であれば、誰でも同じように感じるはずです。SMAPメンバー全員も、週刊誌の記事を見て、今までの自分たちの努力がすべて否定されたと感じたはずです。
芸能界という厳しい競争社会で生きていくためには、組織内に派閥争いがあれば極めて大きなリスクです。経営者の判断として派閥争いを認めないのは当然です。派閥争いを放置すれば組織は崩壊します。そうなれば、SMAPだけでなく、ジャニーズ事務所の全員が大きな被害を被ることになるのです。副社長の判断は、組織を守るという経営者としての判断でした。(言い方など、手法には大きな問題がありましたが・・)
SMAP解散の影に潜むマネージャーの貢献とその重み
週刊誌のインタビューの場で、マネージャーの今までの莫大な貢献がすべて否定されました。
マネージャーは人生をかけてSMAPを育てる努力をしてきたのです。ところが副社長から「派閥争いするなら、SMAPと一緒に出て行きなさい」と言われたわけです。SMAPと一緒に独立を計画し、退社の道を選ぶのは自然な流れです。
同じ立場なら、誰でも同じ行動をとるでしょう。過去を全否定され、今までの努力を無視し、「出ていけ」とまで言われたのです。独立を考えるのが普通です。
しかもマネージャーの事務所に対する貢献は、少なく見積もっても数百億円です。いや数千億円かもしれません。事務所だけでなく、国民全体へも計り知れないほどの貢献をしています。
木村拓哉の決断―SMAPを守るための選択の真意
そして昨年(2015年12月)、木村さんがジャニーズ事務所からの独立を翻意しました。ジャニーズ事務所からの独立に反対した理由は、いろいろな人の意見を聞き、悩みぬき熟考した結果です。
もし、今まで育ててくれたジャニーズ事務所を裏切り独立すれば、「ジャニーズのSMAP」ではなくなります。メンバー全員にとっても、ジャニーズ事務所と敵対する可能性があります。将来、仕事が激減し芸能界で生き残れなくリスクが大きいです。そして何より、SMAPファンを裏切ることになるのです。
木村さんは、自分のことだけを考えて独立に反対したのではありません。ファンの思いや、SMAPメンバー全員の将来のことを考えて土壇場で踏みとどまったのです。もし木村さんが、自分と家族のことだけ考えてSMAPメンバーを裏切るなら、今年(2016年)1月の独立分裂騒動のときに、他のメンバーが独立するのを止めなかったはずです。しかし木村さんはSMAPを守ろうとして奔走したのです。そして後に公開処刑とまで言われたテレビでの生謝罪まで行っています。
今回の解散について、木村さんは「無念」とだけ言い残しました。SMAP存続を一番願っていたのが木村さんです。これは間違いなく真実です。木村さんは本当にSMAPを守ろうとしていたのです。
香取慎吾がマネージャーを守るために選んだ決意の道
そして、SMAPの解散を社長に直訴した香取さんは、マネージャーだけがジャニーズ事務所退社へと追い込まれたことに納得できませんでした。その原因を辿ると、木村さんが昨年末(2015年12月)に翻意した事実になってしまうのです。マネージャーを守ろうとしなかった木村さんを、香取さんは許すことができないのです。昔は仲の良かった木村さんと一緒に仕事ができなくなる精神状態にまで追い込まれました。
香取さんは、自分たちだけがジャニーズ事務所に残ることで、母親を捨てたような気持ちになっていたのです。ましてマネージャーは普通の母親ではなく、自分たちを「日本一の国民的アイドル」に育ててくれた恩人です。マネージャーなくしてSMAPは存在しませんでした。香取さんに言わせれば、「命をかけてマネージャーを守り、一緒に行動を共にするのが人として当然」と思っていたはずです。
メンバーが香取慎吾を守るために選んだ解散の決断
中居さんもSMAP存続を希望していました。しかし、騒動後の香取さんの辛そうな状況を見て、これ以上SMAPを続けるのは無理と断念しました。香取さんを守るための決断でした。稲垣さんも草彅さんも、精神的に追い詰められた香取さんの辛い状況を理解し、行動を共にしたのです。仲間を守るためにSMAP解散を決断したのです。
解散の原因について踏み込んで考えると、メンバー全員が、それぞれ誰かを守ろうとしたことがわかります。「裏切り」などという浅はかな言葉は当てはまりません。
ジャニーズ事務所の副社長は、「組織を守る」という経営者としての判断でした。木村さんは「SMAPとファンを守る」ため独立に反対しました。香取さんは「マネージャーを守る」ため独立せざるを得ませんでした。中居さん、稲垣さん、草彅さんは、「香取さんを守るため」解散を決断せざるを得なかったのです。
SMAPの解散は、メンバーそれぞれが自分勝手な自己保身のために決断したものではなく、誰かを守ろうとして、その結果として解散に至ってしまったのです。「覆水盆に帰らず」です。仮の話をしても仕方ないですが、もし週刊誌が、副社長を煽るようなインタビューさえしなければSMAPは解散しなかったでしょう。
しかし当時(2015年1月)の週刊誌の立場としては、ネットや業界内で噂されている「ジャニーズ事務所内の派閥争い」を取材したいと考えたことも理解できます。インタビューして記事にすることは、多くの国民が興味を持ち、知りたがっている状況では必然だったのかもしれません。週刊誌の記者を一方的に責めることもできません。
このように考えると、SMAP解散の原因を作ったのは、ジャニーズ事務所内の派閥争いを気にしていた人たちであり、それはSMAPファンも含む国民全員ともいえます。こうなると、もう解散は「国民的スターの宿命」だったのかもしれません。
それにしてもSMAP解散は残念です。しかし無理してまで、5人で一緒にいる辛そうな姿を見るのも耐えられません。もうこれ以上SMAPメンバーを苦しめたくないし、無理して欲しくないです。解散は仕方ないと諦めています。
とても残念で仕方ないですが、SMAPに対しては感謝しかありません。
SMAP解散時にファンが見せた驚異的な冷静さと愛情
(上記までは解散時の内容ですが、ここからは後日追記しています。)
しかし、騒動が起こったときに、「ほんとに凄いな」と思ったのは、解散報道で日本中が大騒ぎになっていたときに、ほとんどのSMAPファンは、静かに見守っていたことです。おそらくSMAPメンバーそれぞれの気持ちを痛いほどに感じて、もうこれ以上苦しんで欲しくないと思っていたのかもしれません。
SMAPの解散は嫌だけど、メンバーを苦しめるのはもっと嫌だったのでしょう。SMAPファンが、いかにSMAPメンバー全員を愛していたかわかる行動でした。本当のファンだな、と感動したものです。「SMAPも凄いけど、SMAPファンも凄い」、自分のことより相手を大切にできる強い心を持っていたのです。SMAPファンのような立派な考え方が、社会を幸せにするのですね。
メンバー個々のその後の活動状況
木村拓哉の活動状況
木村拓哉さんは、2024年に3枚目のアルバム『SEE YOU THERE』をリリースし、俳優だけでなく、活発に音楽活動も行っています。このアルバムには、豪華なアーティストや作曲家が参加し、彼の魅力を最大限に引き出す楽曲が揃っています。また、2024年9月から12月にかけて、日本各地でライブツアー「TAKUYA KIMURA Live Tour 2024 SEE YOU THERE」が開催予定で、多くのファンが期待を寄せています。
音楽だけでなく、俳優としても精力的に活動しており、テレビドラマや映画への出演も続けています。2024年のドラマ「Believe-君にかける橋-」では主演を務め、多くの視聴者から注目されています。
中居正広の活動状況
中居正広さんも多方面で活躍を続けています。現在は主にMCとして数々のバラエティ番組やスポーツ番組に出演しており、2024年にはフジテレビやTBSで複数のスペシャル番組の司会を務めています。また、ラジオ番組「中居正広 ON&ON AIR」は長年続く人気番組で、今もなお精力的に活動を続けています。
さらに、中居さんはプロ野球関連の番組にも深く関わっており、「プロ野球珍プレー好プレー大賞」などのスポーツ番組でMCを務めています。これにより、幅広いジャンルでの活動を続け、ファンの間で高い支持を得ています。
稲垣吾郎の活動状況
稲垣吾郎さんは、俳優や音楽活動を続けながら、テレビ番組でも活躍しています。彼は香取慎吾さんや草彅剛さんとともに、NHKの教育番組「ワルイコあつまれ」に出演し、子どもたちに向けたエンターテインメントを提供しています。
草彅剛の活動状況
草彅剛さんは俳優としても目覚ましい活躍を見せており、シェイクスピア作品「ヴェニスの商人」に挑戦するなど、舞台での存在感を高めています。
香取慎吾の活動状況
香取慎吾さんも音楽、俳優、アートの分野で多彩な才能を発揮しています。特に、2024年に新しい地図の一環として音楽番組に出演し、新たな楽曲を披露しています。
このように、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人はそれぞれの分野で大きな成功を収めながら、ファンとの絆を深め続けています。
SMAP再結成への期待
SMAP解散後も、木村拓哉さんや中居正広さんの活動により、ファンの間では再結成への期待が根強く残っています。特に、木村さんと中居さんの関係が再び深まっているという報道があり、これが再結成の可能性に繋がるのではないかという憶測も出ています。
今後も、彼らの動向から目が離せません。SMAPの再結成が実現するかはまだ不明ですが、個々のメンバーがそれぞれの分野で活躍し続けていることは、ファンにとって大きな喜びでしょう。
解散後のSMAPファンの動向
SMAPが2016年に解散してからも、彼らのファンは熱心な支持を続けています。解散直後には、ファンたちは彼らの音楽活動を支えるために大規模な購買運動を行い、特に「世界に一つだけの花」のCDが再びミリオンセラーを達成するなどの現象が起きました。ファンの間では、CDを何十枚も購入し、他のファンや友人に配布するという形で解散阻止を願う活動が広まりました。
また、ファンコミュニティ「SMAPORT」を中心に、解散後も様々なプロジェクトが実施されました。例えば、2020年には「東京タワーをSMAPカラーで灯そう」というキャンペーンが行われ、東京タワーをSMAPのテーマカラーでライトアップするイベントがファンの手によって実現しました。このようなファン主導のイベントやSNS上での記念日のお祝い活動が続いています。
さらに、SMAPのデビュー記念日や解散日に合わせて、ファンは広告を出したり、SNSで思いを発信し続けています。ファンたちは今でも、メンバーへの感謝やSMAP再結成への期待を持ち続けており、特に彼らの活動をサポートするための署名活動やスポンサー企業への感謝のメッセージ送付など、具体的な行動を取ることが特徴です。
このように、解散後もSMAPファンの活動は衰えることなく続き、彼らはファン同士での強い絆を育みながら、SMAPの遺産を守り続けています。
アイドル業界への影響と教訓
SMAPの解散は、単なるグループの終焉にとどまらず、日本のアイドル業界に大きな影響を与えました。SMAPは、1990年代から2010年代まで長きにわたり、アイドルグループとしてだけでなく、バラエティ番組や映画、CMなど、エンターテインメントの多岐にわたって活躍してきました。そのため、彼らの解散はアイドル業界全体に波紋を広げました。
1つ目の影響は、アイドルの多様な活動の可能性を示したことです。SMAPは、バラエティ番組やドラマ、音楽といった多ジャンルで成功し、アイドルの枠を超えた活動の道を切り開きました。これにより、後輩グループや他の事務所のアイドルたちも、幅広いメディアに進出することが当たり前となりました。
2つ目は、アイドルの長期的な活動のモデルケースとなった点です。SMAPは、20年以上の長期活動を通じて、年齢を重ねながらもトップアイドルとしての地位を維持しました。これにより、年齢にかかわらずアイドルとしての活動を続ける道が開かれ、後に嵐や他のグループがそれに続きました。
また、事務所との関係やマネジメント問題も重要な教訓を残しました。SMAPの解散は、事務所とマネージャー、そしてメンバー間の対立が原因の一つとされています。これにより、アイドルグループの運営における内部の権力闘争やマネジメントの重要性が浮き彫りとなり、業界内での運営体制の見直しが行われました。
さらに、ファンとの絆と影響力の維持もSMAPが示した重要な点です。解散後も多くのファンが彼らを支持し、ファン主導の活動やプロジェクトが続いています。これにより、アイドルグループは解散後もファンコミュニティの力で長く支持され続ける可能性が示されました。
SMAPの解散は、アイドルグループが単なる一過性の存在ではなく、芸能界、エンターテインメント業界全体に長期的な影響を与える存在であることを証明したのです。