ハーレーを購入するときは誰でも悩むもの
ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)は高い買い物です。気軽に買えるものではありません。新車であれば100万円以上ですし、上位の車種になると400万円以上です。国産のバイクであれば、ほとんどが100万円未満で買えます。やはり「値段が高い」ということが一つのネックになります。
次に、ハーレーを乗りこなせるのか、という不安です。ハーレーは国産車に比べて、とても重いです。300 kg の車体を取り回すのは簡単ではありません。もし転倒したときに、平らで足元がしっかりしたアスファルトの路面であれば、なんとか自力で起こせるかもしれません。しかし足元が砂利や土だったり坂道であれば、ひとりで車体を起こすことはまず不可能です。
駐車するときにサイドスタンドを出すときも、少し油断すると「立ちごけ」します。私は自宅の駐車場で、考え事をしながらサイドスタンドを出してしまい、転倒しそうになりました。
サイドスタンドが十分に出ていない状態で XL1200X フォーティエイト(2022 Forty-Eight)の車体を傾けてしまったのです。フォーティエイトの250Kgの車重が足にかかり、太ももには痣ができました。幸いにも、倒れかかった車体を何とか支えることができ、太ももの痣だけで立ちゴケせずに済みました。少し傾いただけでも、250Kgを超える車重はハンパない重さです。もし道路で転倒すれば、たぶんひとりでは起こせないでしょう。
ハーレーは値段が高いし、車体がとても重いのです。生半可な覚悟では購入できません。
ハーレーをコントロールできるのか
ハーレーのような大型バイクは、免許も特別です。大型自動二輪の免許証が必要になります。現在(2023年)は教習所で取得できますが、1975(昭和50)年から1996(平成8)年の間は教習所では取得できず、試験場での一発試験に合格するしかありませんでした。一発試験はとてつもなく難しく、大型バイクの暗黒時代といわれてます。当時は大型バイクに乗っている女性を見たことがありませんでした。
しかし現在の大型自動二輪教習は、原付などでクラッチ操作に慣れていれば、それほどむずかしくありません。転倒したら車体を起こすのは大変ですが、普通に走る分にはそれほど大変ではありません。スムーズにクラッチ操作ができれば、教習も簡単になります。
私は、若い頃に原付や250cc のオートバイに乗っていたので、大型自動二輪の教習自体は、ほとんど問題ありませんでした。唯一むずかしかった点は、卒業時の検定試験でコースを覚えられなかったことです。走るコースを覚えていないので、走行中に右往左往してしまい、運転に集中できずエンストして検定試験に不合格になった苦い思い出があります。
教習所を卒業した後、最初にハーレーをレンタルしました。1800cc のローライダーですが、まっすぐ走る分にはそれほど大変ではなかったです。大変だったのは、交差点やカーブを曲がるときです。ハーレーの車重に慣れていないので、オーバースピードになってしまい、対向車線へはみ出しそうになったり、曲がりきれずにガードレールに接触しそうになりました。幸いにもギリギリで回避できましたが、運が悪ければ事故っていたと思います。
最初にハーレーに乗って、むずかしいと感じたのは、車重が影響して曲がれないところです。特にハーレーは、国産車と比較して出だしが速いです。半クラッチを使えないと、ものすごい勢いで飛び出します。
交差点では車体を傾けずに、足をつきながら、半クラッチでゆっくり曲がるのがコツです。国産車であれば、教習所で習ったように傾いた車体をアクセルで起こせますが、ハーレーでは怖すぎます。慣れないうちは飛び出してしまいます。半クラッチの位置をマスターするのが乗りこなす近道です。クラッチレバーを離す位置を感覚的に(意識せずに)覚えるまで練習しましょう。
いつでも、意識せずに半クラッチの位置にできること、車体を倒さないことが必須です。
ハーレーを買うなら、どの車種にすべきか
ハーレーは乗らなくても楽しいです。眺めているだけで嬉しくなるバイクです。それだけの深い魅力があるので、車種は妥協しない方が良いです。予算が不足するという理由で、妥協して車種を決めてしまうと後悔します。ハーレーは、気軽に買えるバイクではないので、欲しい車種を思い切って購入しましょう。大切に長く乗れば、国産車より安いです。(価値があるという意味で。)
選ぶときの基準は、車重と足つきの良さです。店頭の車種を見ながら、店員さんへ聞いてから購入しましょう。
私は、XL1200X フォーティエイトを選びました。選んだ理由は見た目のかっこ良さです。ハーレーの中では軽い車重(それでも250kg以上)ですが、国産車と比較して重厚感はすごいです。エンジンの鼓動感もあり、乗っていると心が踊ります。
2021年4月にフォーティエイトが生産終了になったことを知らずに、ディーラーへ行き見積書を依頼しました。店員さんから、来年(2022年)分の発表まで待てば、もしかしたら見積もりできるかも知れないと言われ、気長に待っている最中にファイナルエディションの予約があり、運良く購入できたのです。
ローライダーをレンタルで乗っていたのですが、やはりフォーティエイトの見た目に惚れました。
高速道路でのハーレー
ハーレーは、アメリカの大平原にあるような、まっすぐな道をゆっくり走るバイクです。直線であれば快適です。しかし高速道路になると、時速100 km を超えると風圧との戦いになります。カウルがついていれば問題ないのかもしれませんが、カウルなしでは時速100 kmまでが限界です。
時速100 km以上で走行すると、風圧で疲れてしまいます。ハンドルを握るのが怖くなってきます。もしハンドルから手を離したら、後ろに吹き飛ばされてしまうのではないかと考えてしまうのです。車では感じない風圧の恐怖があります。
一般道でのハーレー
まっすぐ走っているときは快適です。しかし信号待ちと交差点がとても大変です。
市街地などの信号が多い交差点は、とても緊張します。半クラッチを常に使える状態でないと、エンストして転倒します。意識せずに反射的に半クラッチが使えるようになるまでは、信号や交差点の多い市街地は避けましょう。
ハーレーのクラッチは重いので、信号待ちのときは、なるべくニュートラルに入れた方が疲れません。信号が赤に変わったら、停車する前にニュートラルへ入れましょう。ノロノロ動いている状態の方が、ニュートラルへ入れやすいです。また、半クラッチでニュートラルに入れてしまった方が楽です。
一般道では、停車と発進のときにクラッチを使うので、かなり腕が疲れます。また停車時に足を着くので、何度も足を上げたり下げたりします。クラッチを握る左前腕、左の手と指、太ももと腰回りに疲れがたまってきます。渋滞のときも同じです。渋滞や交差点のない道がハーレーには最適です。
半年乗ってわかったハーレーの魅力
2022年7月にフォーティエイトが納車され、12月の現在までおよそ半年乗りました。
今の感想は、国産車に比べれば、たしかに乗りにくいかもしれませんが、それをはるかに超える魅力があります。やはりハーレーを所有しているという満足感、エンジンをかけたときの鼓動感、アクセルをひねったときの強烈な加速感は、やはりハーレーです。
そして何よりフォーティエイトは、かっこ良いです。見ていても飽きません。
もしハーレーを購入しようか迷っている人がいたら、ぜひ伝えたいです。
すぐにハーレーを買いましょう! 人生を後悔しないために!
特に、私のように62歳からハーレーに乗り始めると、体力の限界も感じます。若いときよりも疲れますし、何しろ高齢になったら乗れません。クラッチを握るのが辛くなります。もちろん転倒したら起こせません。若いうちにハーレーを購入することをおすすめします。