音楽CDをレンタルしてコピーするときに、少し後ろめたい気分になりませんか?コピーが法律違反にならないか不安になってしまうのです。しかし音楽CDのコピーは、趣味で自分で聞くだけなら違反ではありません。著作権法を簡単に理解するための解説です。
音楽CDをコピーするときの後ろめたい気持ち
レンタルした音楽CDをコピーすれば、音質を低下させることなく保存ができます。コピーができるなら購入する必要がなくなり、他の音楽プレーヤーでも聞くことが可能です。安いレンタル料金だけで通学や通勤時にスマホなどで楽しむことができるのです。
ところが、借りてきた音楽CDを自宅でコピーするときに、なぜか後ろめたい気持ちになります。悪いことをしているような気分になってしまうのです。暗い気持ちになるのは、ほんとに法律的に問題がないのか、音楽CDのコピーは違法ではないかと不安になってしまうからです。そこで音楽CDのコピーについて、法的なことを調べました。(ただし、私は法律の専門家ではありません。素人として調べた結果です。2022年1月現在の内容です。)
音楽CDのコピーは、著作権法が適用されます。そして著作権法に違反しない場合の説明が文化庁と日本レコード協会から公開されてます。
結論からいいますと、個人や家族で楽しむために、音楽CDを自宅でコピーするのは全く問題ありません。(2022年1月現在の著作権法に基づいています。)
文化庁と日本レコード協会の判断はコピーOK
著作権法は文化庁の所管です。文化庁のサイトでの解説と、音楽用CDの製作メーカーの業界団体である一般社団法人 日本レコード協会 が公開している質疑応答を下記に抜粋します。
文化庁ホーム > 政策について > 著作権 > 著作権制度に関する情報 > 著作権制度の概要 > 著作物が自由に使える場合
私的使用のための複製
(第30条)家庭内で仕事以外の目的のために使用するために,著作物を複製することができる。同様の目的であれば,翻訳,編曲,変形,翻案もできる。
なお,デジタル方式の録音録画機器等を用いて著作物を複製する場合には,著作権者等に対し補償金の支払いが必要となる。
しかし,[1]公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(略)を用いて複製するときや,[2]技術的保護手段(略)の回避により可能となった(又は,その結果に障害が生じないようになった)複製を,その事実を知りながら行うとき,(略)は,この例外規定は適用されない。
上記の「なお,デジタル方式の録音録画機器等を用いて著作物を複製する場合には,著作権者等に対し補償金の支払いが必要となる。」については、次のとおりCDやDVDの販売価格に補償金が含まれているので、自動的に支払っていることになります。あまり気にする必要はありませんね。
補償金については日本音楽著作権協会 JASRACに解説があります。
一般社団法人 日本音楽著作権協会 JASRAC トップページ > 音楽をつかう方 > 私的録音・録画補償金制度
・・補償金の支払い方法としては、政令指定を受けた特定機器・記録媒体の製造メーカーなどの協力を得て、ユーザーの皆さまが機器・媒体を購入する際に補償金を含める形で一括してお支払いいただいています。・・
また参考に古い情報ですが、2018年5月1日時点の文化庁の解説(この頃はわかりやすく記載されていました。)です。2021年12月現在は公開されていませんが・・
文化庁のHPから抜粋(2018年5月1日現在)
レンタル店で借りてきたCDを使い、自宅の機器を使って複製するということであれば、通常は私的使用のための複製(第30条)に該当し、権利者の了解は必要ありません。
なお、個人で楽しむためであっても、ダビング屋で複製してもらったり、ダビング屋の機器を自らが操作して複製したりすることは、認められません(第30条第1項第1号)。
また、コピープロテクションが施されているソフトについて、そのプロテクションを回避する機器等を用いて複製する場合も認められません(第30条第1項第2号)。
以前の文化庁のサイトでは、プロテクトのかかってないCDを「自宅で、自分で、コピーするなら違法でない」ことが明確に説明されています。著作権法第30条が法的な根拠です。
次に日本レコード協会を確認します。
一般社団法人 日本レコード協会ホーム > 各種制度のご紹介 > 音楽と著作権 > 音楽利用について Q&A集
Q8レンタル店から借りたCDを自分のパソコンにコピーするのは違法ですか?
A8違法ではありません。
レンタル店から借りたCDを自分で聞くためにコピーすることは、「私的使用のための複製」に該当するのでコピーできます。違法ではありません。
つまりレンタルした音楽CDを、自宅で自分でコピーするのであれば違法ではありません。
ただし、次のことは禁止されています。
ダビング専門店などへコピーを依頼したり、ダビング専門店の機器を使用してコピーすることは禁止です。
またプロテクトのかかった音楽CD(2004年から2006年頃に発売されたCCCD、評判が悪くて現在は販売されてない。)のプロテクトを解除してコピーすることも禁止です。
最近は、音楽CDをパソコンに入れると、標準のソフトで簡単にパソコン内にコピーできます。ダビング専門店を使う必要もありませんし。
CDAファイルには注意
スマホを音楽プレーヤーとして使う人が増えています。自分で買った音楽CDなら、なおさらスマホに入れて持ち歩いて聞きたいものです。
パソコン上でエクスプローラーを使い音楽CDのファイル一覧を見ると、ファイル形式の拡張子は、CDAです。このCDAファイルは、CDのトラック情報のみです。音楽ファイルではありません。CDAファイルをコピーしても再生できません。
パソコンなら、そのまま音楽CDのファイル形式であるCDAファイルを再生できますが、スマホでは再生できません。MP3などへの変換が必要です。
音楽CDをコピーする方法
市販の音楽CDをコピーする簡単な方法は、Windows Media Playerを使うことです。Windowsパソコンは無料インストールできます。
Windows Media Playerの「CDの取り込み」ボタンから簡単にコピーできます。音楽ファイルの保存形式は「MP3」がおすすめです。
マイクロソフトの説明ページ
保存される場所は、マイミュージックやミュージックなどのフォルダです。
MP3 形式ならスマホなどで再生できます。下記の専用ソフト CDex は、歌手の名前、アルバムや曲名もインターネットから探して自動で作成してくれます。
CDex で、CDAファイルをMP3ファイルへ変換
音楽CDのCDAファイルをMP3ファイルへ変換するソフトを探しました。
検索サイトで「 CDA MP3 」で探すと多数あります。その中で選んだのが CDex です。
CDex
CDex は、変換処理が速く日本語に対応してます。CDAファイルをMP3ファイルへ変換してから、スマホへコピーすればバッチリ再生できます。
CDex の使い方で少し悩むのが、変換後のファイル出力先です。最初に設定しておかないと、作成されたファイルの場所がわからなくなります。
メニュー画面のオプション→設定画面で、最初に設定してから変換するのがおすすめです。