2007年の「F1日本グランプリ」の思い出です。富士スピードウェイで開催された決勝レースの帰りは、かなり悲惨な状況でした。御殿場行きのシャトルバスが、交通渋滞のため到着せず、山の中のバス停で5時間待ちました。女性は草むらでトイレでした。
山奥でラジオが聞こえない
2007年のF1日本グランプリの解説です。開催場所は、三重県の鈴鹿サーキットではなく、富士スピードウェイでした。東京の自宅から、車で行くか、電車にするか迷いました。しかし富士スピードウェイは、道路が限られているので混雑すると思い、電車にしました。
2007年9月29日(土)、F1日本グランプリのフリー走行と予選です。
自宅を朝6時35分に出発して、新宿へ向かいました。新宿着7時5分。自宅から新宿駅まで、丸の内線で、いつも30分くらいです。丸の内線は、新宿で降りるとき、一番後ろ側(荻窪方面)が小田急線に近いです。
小田急線のホームに7時10分に到着しました。朝食を食べてないので、やはりお腹が空きました。
すでに、小田急線ホームの弁当売り場では、フェラーリの赤い帽子やシャツを着た数人の人たちが、同じように弁当やジュースを買っていました。F1開催のときは、いつも真紅の衣装を着たフェラーリファンが多いです。
レジも混んでました。サンドイッチとコーヒーを買って、「あさぎり1号」に乗り込みました。通路側の席に座り、早速サンドイッチとコーヒーを食べました。
小田急の電車は、ロマンスカーでした。全席が指定席で、とてもゆっくりできました。隣の席が女性なら、なおさら幸先が良いのですが、残念ながらおじさんでした。(たぶん同年代の人ですが、話しかける勇気はありません。)ロマンスカーに乗っている時間は、結構、長かったです。ゲームでも持ってくれば良かったと思いました。
新宿から30分くらいの区間は、ラジオが聞けたので、それほど時間に対する苦痛を感じませんでした。しかし、電車が山奥へ入って行くにつれ、電波が届かなくなり、ラジオが聞こえなくなりました。手持ち無沙汰で仕方なく、ロマンスカー備え付けの車内パンフレットを読みました。つまらなかったです。小田急線に関係した歴史など、勉強になる記事も欲しいところです。そんなこんなで、御殿場に8時59分に到着しました。
御殿場駅から「シャトルバス」
初めての御殿場駅でした。想像していたほど大きくありませんでした。小さい駅で、出口もひとつでした。
電車から降りる人は、フェラーリやホンダなどの帽子やシャツを着た人ばかりです。ほとんどがF1観戦でした。御殿場駅から無料のシャトルバスで富士スピードウェイサーキットへ向かいます。バス乗り場の位置がわかりません。みんなと同じ方へ歩いていくことにしました。
ホームから改札口へ向かいました。駅員も大きな声で案内をしており、案内板も掲示されていました。道順は、わかりやすかったです。駅から降りる人波は、新宿の朝のラッシュよりは空いていました。
改札を抜けて、「富士山口」の階段を降りると、弁当屋さんが声を張り上げていました。道路を渡り、案内板どおり右方向へ歩きました。
商店街の歩道に並びます。並んでいる距離は100mもありませんでした。30分くらいの待ち時間で、富士スピードウェイサーキットへの無料シャトルバスに乗れました。
シャトルバスの時刻表を見ると、御殿場駅と富士スピードウェイ間の無料シャトルバスは、朝6:30から夜21:30と書いてありました。「夜、もし乗り遅れたら、どうするんだろ」と少し不安になりました。
御殿場駅前に、ビジネスホテルらしい宿泊施設がありました。しかし混んでいるようでした。東京からの往復の電車賃を考えると、一泊しても、そんなに変わらないかもしれません。
バスは、35分で富士スピードウェイに到着しました。道路は混んでいませんでした。交通規制の効果でしょうか、バスは順調に富士スピードウェイに到着しました。
しかし今日は、あいにく霧雨でした。
11:00からのフリー走行は、霧雨のために「ドクターヘリ」が飛行できませんでした。「ディレィ」を繰り返し、結局、フリー走行は中止でした。
予選は、なんとか、雨の中を走ることができました。久しぶりのF1サウンドに感激しました。
晴れだったら、もっと迫力があります。少し残念でしたが、雨の方が日本勢には有利でしょう。
15:00に予選終了。
御殿場駅からの帰り電車は、指定席で予約しています。すぐに帰ることにしました。今日は予選ですし、天候も悪いので、人も少ない感じでした。
シャトルバスの乗り場へ向かいました。しかし、いっせいに人混みが動き出したのか、歩道の人が多すぎて、身動きがとれません。バス停(西バスのりば)まで30分くらいかかりました。バス停に辿り着いて、御殿場行きの列に並びました。すごい行列の長さでした。
行列は、バス停の駐車場の周りを、くるりと回っていました。おそらく、「御殿場行き」が一番人が多いのかも知れません。行列に1時間半ほど並んだところで、ようやくバスに乗れました。
御殿場の駅に17:10に到着。お腹が空いたので、駅の「立ち食いそば屋」で山菜うどんとビールを注文しました。帰りも、ロマンスカーの指定席です。トイレの心配はいりません。
17:55発の「あさぎり8号」で新宿へ向かいました。帰りのバス待ちも、混んではいましたが、鈴鹿サーキットほどの混みようではなかったです。天気さえ良ければ最高でした。
雨の「決勝レース」
2007年9月30日(日)、F1日本グランプリの決勝レースです。
朝、目が覚めると、雨が屋根をたたく音が聞こえます。耳を澄ますと、自宅前の道を走る車のタイヤから、雨をはじく音が聞こえます。
(ええー雨!!)
起きて窓から外を見ると、結構な量の雨が降っていました。
(ああ、待ちに待ったF1、中止かな、、でも行かなきゃ・・)
決勝日は、早い時刻の電車の予約が取れなくて、新宿発10:20の「あさぎり3号」でした。自宅から新宿駅までは30分です。9時30分に出発すれば十分です。かなり楽です。でも決勝日に開催されるパレードは昼頃なので、間に合わないかも知れません。それほど見たいわけではないですが。
9時30分に自宅を出ました。
駅前のセブンイレブンで、チョコパンとお茶、そしてチョコレートを買いました。
10時に新宿到着。駅のホームで昼飯用にチャーハン弁当を買いました。御殿場駅に到着した後は、行列に並んだり、忙しくて食べることができないかも知れません。食料は早目に確保しました。
10:20 新宿出発 あさぎり3号
11:53 御殿場到着
やはり雨が降っています。御殿場駅の改札を抜け、階段を降りたところで、ビニール合羽を着ました。
無料シャトルバス乗り場へ向かいます。昨日より長い列ができていました。やはり決勝日の方が混んでます。それでも、バスが次々に来て、40分程度の待ち時間で乗れました。およそ35分で富士スピードウェイに到着しました。
13:10にサーキットに到着しました。
決勝レースが13:30スタートです。ようやく間に合いました。でもその前に開催されたセレモニーは見えませんでした。考えて見ると、F1の観戦席は、安い自由席です。どっちみちパレードは見えませんでした。
かなり雨が降っていました。昨日は霧が濃い感じでしたが、今日は雨が降る感じです。でも雨脚が強いわけではありません。ときどき小降りになりますが、雨が止む気配はありません。
(うーむ、レース中止になるかも・・)
しかし、レース主催者は流石です。レースが開始されました。待ちに待ったF1サウンドです。楽しみにしていたレースは、すぐに終わってしまいます。
決勝レースが終わり、混雑を避けるため、すぐにバス停西のりばへ向かいました。
しかし、人が多すぎてびっくりです。通路が歩けません。国会で良く見る「牛歩戦術」のようでした。一歩あるいては立ち止まる状態でした。バス停のある駐車場入口まで、1時間くらいかかりました。
バス停で「5時間待つ」、めまいがするほど待つ
富士スピードウェイから御殿場駅行きのバス停の行列は、バス駐車場を一周していました。行列は、100メートルくらい続いてます。500人くらいの大行列でした。
しかし、他に交通手段はありません。とりあえず、並びました。ロマンスカーの帰りは17:55分出発です。17:00までにバスに乗らないと、新宿行きのロマンスカーに乗り遅れてしまいます。
シャトルバスのバス停で1時間が過ぎました。2時間が過ぎました。3時間と待ちました。しかし、バスに乗る行列は、ほとんど進みません。指定席で買っていたロマンスカーのチケットは、とうの昔に使えなくなっていました。バス停は、山の中にあります。トイレも売店もありませんでした。
バス停の行列が進まない理由は、バスが全く来ないのです。おそらく交通渋滞も影響しているのでしょう。
4時間くらい立ち続けたまま行列に並んでいたときです。何人かの若い女性たちが、我慢できずに、列から2メートルくらい離れた草むらにしゃがみ込み、泣きじゃくりながらトイレをしていました。
バス停の周りは富士山の樹海です。奥に入ることはできず、仕方なく近くでしゃがみ込んでしまったのです。トイレの姿が、行列から見えてしまう位置でした。男性は、みな後ろを向いていました。
おそらく、私を含めて、男性たちは、しゃがみ込む若い女性たちを見て、忸怩たる思いでした。「助けたいけど、何もできない」状況でした。
山の中の駐車場です。駐車場から少し離れれば富士山の樹海です。草がボウボウで入るのは困難な林でした。このままでは、「富士の樹海に飲み込まれてしまうのではないか」と恐怖感に襲われました。バスは5時間も待ち続けて、ようやく乗れました。
新宿0:45発 各駅停車 武蔵小金井行きに乗れました。夜中の1時すぎに家に到着しました。「もう疲れすぎて、ダメ」、今にも倒れそうでした。
これほどのバスの遅れは、予想を超える「大渋滞」が発生したせいでしょう。運営側に責任があるわけではありません。富士スピードウェイの関係者の皆さんも、シャトルバスの運転手さんも、大変お疲れ様でした。