株取引で失敗した体験談です。初心者が20万円の元手で株取引を始めました。しかしリーマンショックが起こり、最終的に総額50万円負けました。株取引は「賭けごと」と似ていて運に左右されます。「株取引」の敗因がわかりました。
給料が上がらず赤字続き
若い頃は貧乏でした。30歳までは、給料も上がりませんでした。それほど遊んでいるわけでもないのに、毎月の収支は微妙に赤字続きでした。毎月2~3万円ほど赤字でした。年二回のボーナスは、毎月累積した赤字の補填で消えました。真面目に働いても、貯蓄もできません。「資産形成」などは、夢のまた夢です。
「格差社会」を疑問に思ってしまいます。どうして、裕福な人達には自然とお金が集まり、莫大な資産が作れるのでしょう?庶民は、コツコツ働いても貯蓄できず、ギリギリの生活のままなのでしょう?
先日、テレビニュースで、ある電話会社の役員は、年収が数十億円と報道されていました。これを異常だと感じない社員もすごいですし、そんな常識を逸脱した会社の「スマホ」を使い続ける国民も、不思議に思います。
人の上に立つ真の経営者は、「社会の中で何が正しいのか」という、「公正」さを理解してる人でなければなりません。自分に都合の良いことしか考えられない人が、人の上に立つ経営者になると、卑しい考えの会社がはびこり、社会が歪みます。
一発逆転の人生
公平でない現実社会の中で、もやもやした不満を抱えつつ生活していると、「一発逆転の人生」に挑戦したくなります。
宝くじで、1等前後賞7億円が当たれば「一発逆転の人生」です。しかし宝くじは、運に左右されます。自分の努力は関係しません。真面目に努力することで、本業以外でコツコツとお金を稼ぎたいです。その方法を模索しました。
思いついたのは「株取引」です。株価が右肩上がりで成長を続けた1970年から1989年は、「株取引」で儲けた人がたくさんいました。早速、インターネットや図書館で「株取引」について調べました。
「株取引」は、元手として20万円以上の現金が必要です。投資する会社の情報を丁寧に調べ、業績が伸びそうな会社を選びます。自分なりに納得した会社へ投資すれば、大損する確率は少ないのです。良い会社を選べば「そこそこ儲かる」のです。さらに「株取引」を行っていると、社会情勢に目が向き、自分自身の勉強になります。
良いことばかりなので、早速、「株取引」に挑戦しました。
証券会社への申し込み
「株取引」は、パソコンとスマホを使用してインターネット上で行います。楽天証券、SBI証券、マネックス証券など、口座開設無料の会社の申込書を取り寄せました。
申込書と身分証明書(免許証)のコピーを一緒に郵送します。およそ2〜3週間でIDとパスワードが届き、「株取引」を開始できました。
初めての株取引
最初に「軍資金の壁」が大きく立ちはだかりました。生活にゆとりがあって、「遊び金」として100万円以上用意できるなら、じっくりと株に関する情報を集めることができます。しかし20万円では、安い株しか購入できません。投資先が少なく限定されてしまいます。
それでも、なんとか購入しました。そして、少し株価が上昇したところで売り、数分で500円ほど儲けることができました。人生初の「株取引」で利益がでました。(もしかして、ホントに天才トレーダーかも)と思い、嬉しかったです。
真っ赤なフェラーリが見える
1日で500円の利益でも、月に換算すれば1万円以上の利益です。その利益を元手に加えれば、1年目で12万円、2年目で24万円の利益です。つまり利益が継続できれば、2年周期で倍に増加します。
20万円→ 40万円→ 80万円→ 160万円→ 320万円→ 640万円→ 1280万円
元手20万円が、12年後には1280万円になるわけです。明るい未来が見えてきました。真っ赤なフェラーリに乗る姿を想像しました。
日本の天才トレーダー
事実かどうか不明ですが、ネット上には天才トレーダーや伝説トレーダーの噂が多数あります。
元手160万円を8年目に200億円へ
よほど運の良い人だと思います。やはり、元手は160万円です。「株取引」で大きな利益を期待するには、元手もそれなりに必要です。
なんと、リーマンショックを引き起こす
人生は思い通りになりません。最初に元手とした20万円は、1ヶ月後になくなりました。
主に1日単位で売買して利益を確定させるデイトレードを繰り返しました。最初の1週間は3勝2敗でした。勝っては負け、負けては勝つという小康状態です。利益を大きくしようと思い、時間の経過を待つと、逆に損してしまうのです。下落が大きくなると不安になって売ってしまうのです。
株を購入した直後は、必ず利益の出るチャンスがありました。ただ利益が200円程度と少額なので、「もっと利益が出るはず」と欲が出て、数分待つ間に利益が消滅し、逆に損失が膨らむというパターンです。売るタイミングを間違えてしまうのです。タイミングさえ間違えなければ、必ず利益が出せることは確認できました。
そこで、元手をさらに20万円追加しました。しかし、その後は不思議な状況に陥りました。私が株を買った瞬間から、株価が下がり始めるのです。長期間、堅実に上昇してきた会社の株価も、私が買った瞬間から下がり始めました。
まるで、私が日本中の株価を操作しているような感覚でした。私が損するように株価が動き出すのです。元手の40万円は、すぐに消滅しました。
敗因を考えると、デイトレードの売買タイミングでした。最初の頃は、利益を確定できるタイミングが必ず存在しました。そこで、デイトレードではなく、長期間の投資にチャレンジしようと思いました。損失40万円のままでは悔いが残ります。
新たに元手30万円を追加しました。有名会社の株を購入しました。デイトレードではないので、1週間ほど放置しました。
すると、なんと2008年9月15日に「リーマン・ショック」が起こりました。株価は見事に下落し、30万円で購入した株は、10万円以下になりました。20万円の損失です。まさか「リーマン・ショック」が起きるとは思いませんでした。まるで私が「リーマン・ショック」を引き起こしたように感じました。
株は、下落しても売らなければ損失になりません。まだ(2018年9月)所有したままです。損失額は多少改善し、15万円になりました。
「株取引」で総額50万円の損失を経験して感じたことは、「運が良くないと株で勝てない」ということです。いくら勉強したり努力しても、勝てる保証はありません。株は「博打」と同じだと感じました。