「転送速度が速いHDDを探しているけれど、どれを選べばいいのかわからない…」そんな悩みをお持ちではありませんか?
HDDは「容量は多いけれど速度が遅い」というイメージが強いかもしれません。しかし近年では、7200RPMの高速回転や大容量キャッシュ、最新のインターフェースを搭載した高性能HDDが続々と登場し、「速いHDD」は確実に存在しています。
本記事では、転送速度が速いHDDの選び方や性能を左右するポイント、さらに最新のおすすめモデルや速度を引き出すコツまでをわかりやすく解説します。動画編集やゲーム、大量データのバックアップなど、速度重視でHDDを選びたい方に向けた内容です。読み終えるころには、自分にぴったりの高速HDDが見つかるはずです。
【初心者向け】転送速度が速いHDDとは?仕組みと基礎をわかりやすく解説
転送速度に直結するHDDの仕組みと内部構造とは?
HDDは、磁気で情報を読み書きする記憶装置です。ディスクが高速で回転し、その上にあるヘッドが読み書きを行うという構造になっています。HDDの転送速度に大きく関わるのは、以下の3つの要素です。
- 回転数(RPM:Revolutions Per Minute)
HDDのディスクが1分間に何回転するかを示す数値で、一般的に5400回転(5400RPM)または7200回転(7200RPM)のモデルがあります。7200RPMの方が高速で、同じ条件下であればデータの読み書きも早くなります。 - キャッシュメモリの容量
HDDにはデータの一時的な保管場所であるキャッシュメモリが内蔵されています。これが大きいほど、転送がスムーズになり、高速化につながります。最近では256MBや512MBのキャッシュを持つ高性能HDDも登場しています。 - 記録密度(プラッタあたりの容量)
記録密度とは、1枚のディスクにどれだけデータを書き込めるかという指標です。密度が高いほど、同じ回転数でも多くのデータを読み取ることができ、結果的に転送速度が向上します。

HDDの転送速度を左右するRPMとキャッシュ容量の重要性
5400RPMのHDDは、主に低価格帯やノートパソコン向けの製品に多く見られます。これに対して7200RPMは、デスクトップやビジネス向けに多く採用されており、体感速度に明確な差があります。加えて、キャッシュメモリが多い製品では、特に大容量のファイル転送時に性能差が顕著に表れます。
たとえば、512MBキャッシュを搭載したHDDでは、連続読み書き時に200MB/sを超えることもあり、日常使いにおいては十分な速度を発揮します。
HDDとSSDの転送速度の違いとは?選び方のポイントを解説
SSDと比べた場合、HDDの方が安価で大容量ですが、転送速度は明らかに劣ります。SSDはフラッシュメモリを用いており、可動部がないためアクセスが高速です。SATA接続のSSDでも500MB/s前後、NVMe接続のSSDであれば3000MB/sを超えるモデルもあります。
しかし、SSDは高価であり、特に大容量になるとコストパフォーマンスはHDDの方が有利です。そのため、「そこそこの速度と大容量を低価格で得たい」というユーザーには、高速HDDが今なお選ばれています。
転送速度に影響するHDDの性能・構成要素とは?
転送速度に直結!HDDのインターフェース別性能比較
HDDの転送速度は、HDD自体の性能だけでなく、「接続方式(インターフェース)」によっても大きく左右されます。
- SATA(Serial ATA):主に内蔵型HDDに用いられる。SATA III規格では最大6Gbps(約600MB/s)の理論速度。
- USB 3.0 / 3.1 / 3.2:外付けHDDに多く採用。USB 3.0で5Gbps、3.2 Gen2では10Gbpsとされており、HDDの性能を十分に引き出せる。
- Thunderbolt 3 / 4:最大40Gbpsと非常に高速。動画編集者などプロ用途に適している。
外付けHDDの場合、どんなに高性能なHDDでも、接続するポートやケーブルが古ければ速度が出ません。HDDを選ぶ際は、使用するインターフェースと互換性も確認しましょう。
内蔵HDDと外付けHDDの転送速度を比較!どちらが速い?
一般的に、内蔵HDDの方が外付けよりも速度が出やすい傾向にあります。これは、SATA接続がより安定しており、USBよりも変換ロスが少ないためです。一方で、外付けHDDは利便性が高く、データの持ち運びに適しています。
高い転送速度を求めるなら、外付けHDDでもUSB 3.2やThunderboltなどの高速インターフェースを選ぶことが重要です。
転送速度アップに効果的!RAID構成の基礎と注意点
複数のHDDを組み合わせて使う「RAID構成」も、転送速度を向上させる手段です。RAID 0(ストライピング)では、複数のHDDに同時にデータを書き込むことで、理論上は1台あたりの速度×台数分の速度が出ます。
ただし、RAID 0は冗長性がなく、どれか1台が故障するとすべてのデータが失われるリスクがあるため、バックアップ体制は万全にしておく必要があります。
【HDD選び完全ガイド】転送速度が速いHDDを選ぶための重要チェックポイント
用途別で異なるHDDの必要転送速度をチェック!
使用目的によって、求められる転送速度は異なります。
- 動画編集や高解像度画像の保存:200MB/s以上
- バックアップ用途:100~150MB/sでも十分
- ゲーム用途:ランダムアクセス性能が重要。7200RPM以上かつキャッシュが多いモデルが好ましい
用途に合った性能を把握し、自分に合ったHDDを選びましょう。
HDDの転送速度を見極めるためのスペックの読み方
HDD選びで注目すべきポイントは以下の通りです。
- 回転数(RPM):最低でも7200RPM
- キャッシュ容量:256MB以上が望ましい
- インターフェース:USB 3.2 Gen2やSATA IIIなど、転送速度を活かせる規格を選ぶ
- 実測値:メーカー公称値だけでなく、ベンチマークなどの実使用レビューを参考にする
高速かつ長持ちするHDD選び|耐久性と転送速度を両立するには?
HDDは物理的にディスクを回しているため、経年劣化や故障リスクがあります。耐久性を重視するなら、24時間稼働を前提に設計されたNAS用HDDや、耐衝撃性を備えた外付けHDDを選ぶと安心です。
また、使用環境(高温多湿、振動が多い場所など)によってもHDDの寿命や速度に影響が出ます。設置場所にも配慮することが大切です。
【2025年版】転送速度が速いHDDのおすすめモデル3選|人気製品を徹底解説
現在市場に出ているHDDの中でも、特に転送速度が速いと評価されているモデルを以下に紹介します。
Seagate BarraCuda 7200RPMシリーズ
大容量かつ高い記録密度、512MBの大きなキャッシュを搭載しており、200MB/s超の転送速度を実現します。
Western Digital Blackシリーズ
高性能を求めるユーザー向け。データアクセスが多い用途に適しており、読み書きのバランスが良好です。
HGST Ultrastar
企業向けの高耐久モデルで、連続稼働にも耐える設計。高速性と耐久性を両立しています。
転送速度を最大化!HDDの性能を引き出す実践的な使い方
ケーブル選びで転送速度が変わる?HDDの接続環境最適化術
どれだけ高性能なHDDでも、古いUSBケーブルやUSB2.0ポートで接続すると、速度は制限されてしまいます。ケーブルはUSB3.0以上対応のものを使用し、PC側のポートも確認しましょう。
HDDの転送速度改善に効く!デフラグとファイル整理のコツ
HDDの中は使っているうちに断片化され、データの読み取りが非効率になります。定期的にデフラグを行い、不要なファイルを削除することで、転送速度が改善されることがあります。
転送速度を向上させるHDD設定:書き込みキャッシュの活用法
Windowsの設定で「書き込みキャッシュを有効にする」を選択すると、一時的にデータをメモリに保持してから書き込むため、実効速度が向上することがあります。ただし、停電時などにデータが失われるリスクもあるため、重要なデータの扱いには注意が必要です。
【まとめ】転送速度が速いHDDの選び方と活用テクニック
HDDはSSDに比べて転送速度で劣ると思われがちですが、実は用途に合った製品を正しく選び、適切な環境で使用すれば、十分に満足できるパフォーマンスを発揮します。特に最近のHDDは、7200RPMの高速回転モデルや、512MBもの大容量キャッシュを搭載した高性能機種が登場しており、従来の「HDD=遅い」という常識が覆りつつあります。

転送速度を重視するのであれば、まずは回転数(RPM)とキャッシュ容量に注目しましょう。次に、接続インターフェース(USB3.2、SATA III、Thunderboltなど)を確認することで、HDD本来の性能を引き出すことができます。
さらに、RAID構成を組むことで速度アップを図る、デフラグやキャッシュ設定の最適化で実行速度を改善するなど、工夫次第でHDDのパフォーマンスはまだまだ引き出せます。たとえSSDに比べて速度が劣るとしても、大容量・低価格というHDDの強みを活かすことで、コストパフォーマンスの高いストレージ環境を実現できます。
たとえば、動画編集のような一時的に高速な連続転送が必要な作業では、512MBキャッシュ搭載モデルやRAID 0構成が効果的です。一方、日常的なファイル保存やバックアップでは、100~150MB/s程度の速度が出るHDDで十分です。用途に応じた選択が、もっとも満足度の高い結果につながります。
今後もHDDは進化を続けていくと予想され、耐久性や信頼性の面でもまだまだ魅力的なストレージです。SSDと組み合わせて使う「ハイブリッド構成」も視野に入れつつ、あなたの使用スタイルに合った最適な「速いHDD」を見つけてください。
パソコン作業やデータ管理のストレスを軽減し、快適な環境を手に入れるために、この記事で紹介した知識と製品情報をぜひお役立てください。