見せかけのコンプライアンスと本物の違い、書類を整えるのは間違い

コンプライアンスのない会社

2016年4月、大手自動車メーカーによる燃費計測データの不正が、テレビなどで報道されました。25年以上前から不正が行われていたとのことです。

この自動車メーカーは、2000年7月にもリコール隠しで問題になったことがありましたが、その当時の教訓が活かされなかったわけです。

こうなると、会社の社風として、典型的な、利益至上主義による隠蔽体質が蔓延していて、正しい決断や善悪の判断ができる社員が、ほとんどいないということです。

コンプライアンスは、そもそもが、嘘をつく人が存在する組織では成り立ちません。

書類上、法令に合致するように見せかけるという虚偽の行為を、後ろめたさを感じずに平気で行う人たちには、理解できないことです。

真実や事実と異なることに対して、何も違和感を感じない人には、そもそもがコンプライアンスは無理なのです。

子供の頃に、ウソをついてはいけない、と教えられますが、ウソを言わないことは、人としての最低限のマナーです。

コンプライアンス以前の、人としての問題なのです。

コンプライアンスとは

コンプライアンスは、善悪の判断ができることが大前提です。

最近、今回の自動車メーカー以外にも、財務データの虚偽記載や損失隠しなど、大手企業による不正が、社会問題になっていますが、どのケースにも共通している残念な考え方があります。

自社(自分)の利益を最優先する。

そのために、手段を選ばず、ウソをつくのです。

そして、不正を隠すときの、見せかけだけの、残念な考え方は次のとおりです。

事実と異なっていても、(虚偽の)書類さえ整えておけば良い、書類上の矛盾点さえなければ問題ない。

これらは、ほとんどの場合、会社の上層部からの命令(あるいは暗黙の指示)で行われています。ライバル会社に負けないため、自社が有利となるデータを求められ、無理難題に社員が従うという、慣行や社風から悲劇が生まれています。

顧客がほとんどいないような、起業したばかりの小さな会社なら、競争の中で生き抜くために、誇大広告的なことも多少は許されます。

しかし、数万人もの顧客がいる大企業は、もはや公的な企業です。社員一人一人が毅然とした態度を持つ必要があります。

特に、大企業の上層部は、「事実と異なる虚偽は許さない、許されない」という毅然とした態度が必要です。

いろいろな不正事件の根底にある考え方は、「書類上整えれば、ごまかせる、見せかけの書類が矛盾していなければ構わない」という、残念な考え方です。

コンプライアンス、法令遵守という言葉がありますが、見せかけのコンプライアンスのために、書類を偽造してはいけないのです。

コンプライアンスのために虚偽の書類を作るのは、言語道断です。

事実かどうかを、誰もが、毅然と判断し、素直に改善していけるのが、本当のコンプライアンスです。







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